< 2019年1月号 >
特集/推進技術の夢を追う
総論:(公社)日本推進技術協会
解説:アイレック技建(株)、(株)アルファシビルエンジニアリング、(株)イセキ開発工機、(株)ソーキ、(株)ジオックス、地建興業(株)、ヤスダエンジニアリング(株)ほか
連載:第10回先達に学ぶ「温故知新」/第35回ゆうぞうさんの山紀行
巻頭言/今月の推論/随筆/会報/その他

月刊推進技術
2018年のスケジュール

月刊推進技術
編集委員会名簿

2018年12月号

特集/労働力不足を解消する働き方改革

  建設業は時間外労働、福利厚生、高齢者および外国人雇用など、様々な「働き方」の問題を抱えた業種であり、また、近年では他の業種でも過剰な時間外労働による過労死や自殺などが社会問題になり、厚生労働省労働基準局が中心となって働き方改革が政府の方針として打ち出されています。
 もうそろそろ建設業でもこの問題に真剣に取り組むべきと思われ、若手技術者の不足、業界のマイナスイメージ、グローバル化など副次的な課題も含めて取り組むべきだと考えます。推進業界においては、地下インフラを中心とした社会基盤の再整備に貢献するとともに、膨大な海外の市場への展開が期待されていますので、業界としての将来は明るいと確信していますが、このままでは新規の高度な推進技術に対応できる技術者が不足するどころか、発注者、施工者とも推進工法そのものを理解し継承する技術者がいなくなります。
(編集担当:中野正明)

 平成28年3月国土交通省のwebサイト上で「建設業を取り巻く情勢・変化参考資料」が公表され、建設投資、許可業者数、就業者数等の経年変化について、特に生産年齢人口の減少と建設業就業者の現状と将来推計(大幅減少)についてデータの掲載・解析と推計がなされています。
 当然、我々建設業界に従事する者としてすでに常態化している面もあり早くから懸念されている事項でもありましたが数字による確認ができ危機感を新たにしております。
 私どもはこの厳しい中、継続的に確実に建設就業者の確保を図り、同時に機械化・自動化、就業者の人材教育を行ない生産性の向上に努め社会に貢献しなければなりません。
 この号では以上に関連する内容について特集していきたいと思っております。
(編集担当:小野千代昭)

2018年11月号

特集/鋼製管推進工法の基礎知識

 鋼製管推進工法は、これまで呼び径800未満を施工する小口径管推進工法の「鋼製さや管推進工法」として分類されていました。しかし、比較的大きな径の鋼製管推進や取付管推進の実績も増えていることから、(公社)日本推進技術協会では5年ほど前に、呼び径1800の大中口径を包括する『鋼製管推進工法』と位置づけ、小口径管推進工法とは袂を分かちました。
 鋼製管を推進する技術は古い歴史を持ち、山岳トンネルの先受けや水平探査ボーリングとして、また、都市土木ではパイプルーフに用いられてきました。
 鋼製管推進工法は、大中口径管推進工法や小口径管推進工法と異なり、鋼製の外管(さや管)を溶接等によって一本化した、いわば長尺の鋼管杭を推進するため、長距離推進や曲線施工には不向きとされています。
 しかし、推進管本体が鋼製であり、先端に装着したビットによって岩盤や転石、玉石の卓越する地盤、さらには支障となる杭や鋼矢板等の切削も可能なことから、推進工法分野においては最も過酷な施工条件下で採用されています。
 また、方向制御にやや難点があるものの、他の工法がトラブルに遭遇し、掘進不能状態に陥った場合の「レスキュー工法」としても用いられています。
 このほか、鋼製管推進工法は鋼製の外管を存置し、塩化ビニル等の内管を挿入した二重構造の特性により「河川管理施設等構造令」規定を充足することから、河川の横断をはじめとし、軌道下の推進工事などにも採用されています。また、完全非開削技術としての取付管推進工法にも使用されていることが、同工法の大きな特徴です。
 長距離・曲線施工などのトレンドとは縁遠く、やや華々しさには欠けている鋼製管推進工法ですが、前記のとおり転石・玉石の出現する地盤の施工、また、残置された鋼矢板等の支障物を切削・除去が可能なことなど、他の推進工法が不得意とする施工条件にも対応できることから、推進工法分野においては不可欠な工法とされています。
 本特集では鋼製管推進工法の基礎知識として、過酷な地盤や施工条件に挑み、また、施工途中で予期しえない支障物等に遭遇し、これを克服した施工事例の紹介とともに、あわせて、同工法を採用するにあたっての計画・設計・積算上の留意点と課題なども記載されています。
 発注者には、標準的な歩掛りでは対処できない同工法について、本特集を通して、鋼製管推進工法がこれまで果たしてきた役割と使命をご理解いただきたいと願っています。また、鋼製管推進工事に携わる専業者には、他社の開発技術の状況や他分野の技術にも触れていただき、自社技術の新たな踏み出し、前進の一助となれば幸甚と存じます。
  (編集担当:阿部勝男)

2018年10月号

特集/高耐荷力管推進工法の基礎知識

 我が国の推進工法の歴史は70年を数えます。当初は刃口式推進が主流であったため、推進管内で作業ができない呼び径700以下の小口径管推進工法は、遠隔操作が必要であり技術開発を伴ったため、その歴史の中でも後発となります。しかしながら、近年の推進工法の発注実績を見ると、その9割近くが小口径管推進となっています。
 小口径管推進工法は、使用する推進管により高耐荷力管推進工法と低耐荷力管推進工法に大別されます。低耐荷力管推進工法は、粗度係数が小さく軽量であるといった下水道管きょとしての優位な特性を持つ塩化ビニル管を推進管として用います。そのため、先端抵抗力は推力伝達ロッド等に負担させ、管の軸方向の負担を小さくする開発が行われました。高耐荷力管推進工法は、推進管の許容耐荷力の大きさを活かし、さらに推進管の開発が呼応し、より長距離・急曲線対応へと進化を遂げています。
 本特集では「高耐荷力管推進工法の基礎知識」というテーマで、これまでの高耐荷力管推進工法の歴史を振り返るとともに基礎的な知識の「おさらい」をしています。さらに、高耐荷力管推進工法の特長を活かした施工事例、最新の技術開発等もご紹介します。
本特集が、皆さまの業務の一助となれば幸いです。
(編集担当:森治郎)

2018年9月号

特集/低耐荷力管推進工法の基礎知識

 「下水道、くらしを支え、未来を拓く下水道展’18北九州」をテーマに、今年は福岡県北九州市の西日本総合展示場で下水道展が開催されました。多くの企業・団体が出展し、また来場者数も盛況の中で無事に閉幕されました。
 今回開催された九州地方ですが、平成28(2016)年4月には熊本地震が発生し、震度7を観測する大きな地震であったことは皆様の記憶に鮮明に残っていると思います。発生より2年半近くを迎え、甚大な被害を受けた施設も徐々に災害復旧事業により、その姿を取り戻しつつありますが、未だ災害復旧の進捗が進んでいない場所もあるかと思われます。暮らしの中でのインフラ整備がいかに大切であるかを多くの方に関心を持ってもらい、安心と安全の両立した復興事業の一端を担えればと思います。
 今回の特集は「低耐荷力管推進工法の基礎知識」であり、同じ小口径管推進工法の高耐荷力管推進工法と異なる部分を記述したいと思います。
 低耐荷力管推進工法の最大の特徴ですが、先導体にかかる先端抵抗力を推進力伝達ロッド(ケーシング、スクリュ等)に負荷させ、推進工法用管には管と土との周面抵抗力のみを負担させる方式であり、最近では管と土との周面抵抗力を分割させて推進力伝達ロッドに負荷させる工法もあります。推進力の伝達方式による違いにより分類されているので、低耐荷力管(硬質塩化ビニル管)以外にも高耐荷力管(ヒューム管、レジンコンクリート管など)や鋼管なども推進が可能となっている点も特徴であるといえます(高耐荷力管推進工法では低耐荷力管の推進は不可能です)。
 日本では、硬質塩化ビニル管は昭和26(1951)年頃から製造され、昭和32(1957)年に下水道管に使用され始めました。昭和49(1974)年には開削用途の「下水道用硬質塩化ビニル管(JSWAS K-1)」制定され、下水道面整備の主要管材として使用されてきました。その後、硬質塩化ビニル管を推進工法で敷設する技術として低耐荷力管推進工法の様々な工法が開発され、平成7(1995)年「下水道推進工法用硬質塩化ビニル管(JSWAS K-6)」制定されました。
 硬質塩化ビニル管は前述のとおり開削用途から始まり、推進工法による敷設のニーズに応え下水道推進工法用硬質塩化ビニル管が誕生しました。下水道工事に関わらず、硬質塩化ビニル管を採用する工事は比較的深度の浅い箇所に用いられることが多く、安易に設計施工単価が安価であるためと思われます。しかし、施工現場の現状を確認すると、複数の埋設管により計画土留めが設置できず、やむを得ず危険な作業環境での施工が数多く見受けられます。その結果、開削工事現場における現場作業員の土砂崩壊災害や土止め倒壊災害による死亡事故が発生しています。推進工法は現場条件に応じて対応が可能な工法であり、難工事に挑むことも可能です。安全第一で確実な施工ができる工事へ少しでもお役に立てればと思います。
(編集担当:宮地武士)

2018年8月号

特集/高品質な長距離・曲線推進を支える技術

 推進工法が我が国で最初に施工されてから今年で70年を迎え、長距離、急曲線などの技術困難な施工が可能になるばかりでなく、安全、確実、高品質な施工ができるようになってきました。これらの技術進歩には施工を担う専業者の掘進技術の進歩はもちろんですが、それを可能にするためのいろいろな技術の進歩がありました。
 まず欠かせないのは推進管材料の高品質化です。推進工法は管路構造物である推進管を発進立坑から押して、地中を移動させて構造物を完成させる技術です。推進管は施工中に周辺の土圧や水圧を受け、推進ジャッキからの推進力を受けながら移動します。当然このような推進管の受ける荷重は時々刻々変化します。継手部の状況も変化します。開削工法に使用する埋設管と比較して、あるいはシールド工法に使用するセグメントと比較して、推進管は複雑な外力を受けつつ継手部の状況も変化します。そのような特殊な施工環境であるため、推進管には特に高品質な性能が要求されます。
 さらに、長距離施工となると推進抵抗の軽減が重要なカギになります。摩擦抵抗の低減、孔壁保持効果の向上、地下水で希釈されない品質、長期間にわたって経時変化をおこさない安定した滑材の開発が行われ、注入方法も先頭管付近での注入だけでなく、後続の管列からの自動注入技術などが開発されてきました。
 曲線施工では高品質の推進管の開発ともに、掘進機に追随する後続の管列の追随性を向上させて、なおかつ継手部で折れ曲がりながら推進力を伝達するための推進力伝達材の開発が行われてきました。
 曲線施工などで高精度を確保するための測量技術も欠かすことのできないもので、施工中は管列全体が移動するために、管内に固定の引照点を設けることができないハンデを克服して毎回自動的に発進立坑の引照点から座標測量を行う自動測量の開発や、常時の掘進機の姿勢監視のための小型、高精度のジャイロコンパスの開発なども推進工法の発展に寄与してきました。
 また、そのほかでは管内換気、連絡通信設備、管内通行の改善、照明などの安全対策技術も欠かせないものです。
 本特集ではそのような長距離曲線施工などの技術困難な推進工法を支える様々な技術について、自動化などをキーワードにそれぞれの分野での開発経緯や現状、今後の展望などを語っていただきます。
(編集担当:中野正明・舩橋透)

2018年7月号

特集/推進技術・最前線

 毎年開催される下水道展に合わせて本誌も「推進技術・最前線」を特集テーマとして企画しています。本年も7月に北九州市にて下水道展が開催されます。
 下水道は、上水道、ガス、電気、通信等と同様に、私たちが生活する上で必要不可欠なライフラインとして活用されています。昭和30年代日本は、高度経済成長期を迎え工業化が急速に進み、都市部の人口も急増したことによって、工業排水や生活排水が増大し公共水域の汚染問題が深刻化しました。この様な背景もあり、昭和45年下水道法の改正時、公共水域の水質保全に係る一項が加えられたことで、下水道における事業制度が整い下水道整備が急速に進みました。また下水道事業の推進に伴い、路面を掘削する開削工法から、工事中の振動、騒音等の低減および道路交通や地下構造物への影響が低減でき、都市環境対策に優れた推進工法が多く採用され、以後、推進工法は急速な技術の進歩を遂げ、現在においては、施工技術および工法の開発・改良に伴い長距離推進、急曲線における施工能力の向上による高度な技術を用いた施工が行われています。
 推進工法が世界で初めて用いられた工事は19世紀後半、アメリカの北太平洋鉄道横断工事です。国内においては昭和23年、国鉄尼崎港線軌道下工事にて、国内初となる推進工法を用いた工事が行われました。当初は人力掘削が主体である刃口式推進による施工で行われていました。しかし、人力主体による刃口式推進は、推進延長が長くなることによる掘削進捗の低下、また切羽部が開放されているため、切羽崩落による人的災害の危険性も懸念されていました。この様な課題を克服するために開発された工法が泥水式推進工法です。以降、さらなる技術開発が進み、土圧式推進工法、泥濃式推進工法が開発され、現在この3工法を主流とした推進工事が行われています。また、小口径管推進工法においては昭和50年、呼び径800未満の管内作業が禁止されましたが、2年後の昭和52年には小口径管推進工法の圧入式が開発されました。この様に、様々な課題に直面しつつも、ただちに技術開発を行い、短期間で課題を克服できる日本の推進技術は、現在においても世界の最高水準を誇る日本の推進技術ならではの「技」であると感じます。
 本号では、最新の推進技術を特集として紹介しています。各企業においては、より優れた推進技術の開発に日々取り組んでいることと思います。これらの技術が最前線で推進工事に携わる技術者の方々の一助となれば幸いです。
(編集担当:植木貴幸)

2018年6月号

特集/浸水対策の変遷「より安全な街へ」

 浸水被害軽減に向けて都道府県および市町村において、雨水排除施設の整備に積極的に取組んでいますが、未だ痛ましい事例が報道されています。
 これから梅雨の時期に入りますので浸水被害の発生が危惧されます。梅雨というと「しとしと」降る長雨のイメージでしたが、近年の雨の降り方に異変が起きているのではないかという気象庁やマスコミによる報道が増加しており気掛かりです。代表的な現象は積乱雲が次々に発生し「線状降水帯」を形成し、限定的な区域に、しかも短時間に集中して豪雨に見舞われ大災害を引き起こします。平成26年8月、広島市において前述の降水帯により法面崩壊が発生し甚大な被害をもたらしたことを記憶している読者も多いと思います。
 下水道整備の変遷を遡ると、当初は大都市において多発した浸水対策として開始され、あわせて生活環境改善のための水洗化が図られました。その後、超過降雨対策として10年確率降雨対策へ、それでも浸水被害が頻発する都市部においてはさらなる確率降雨のアップが進められております。
 当初の整備は開削工法が主流でしたが、交通渋滞の原因や地下埋設物への影響から非開削工法が採用されるケースが増加しました。このような背景のなか、大中口径に対応でき施工性・経済性に富んだ推進工法が着目され雨水整備に活躍しました。当時の推進工法は開放型の刃口式推進であり推進延長も短いものでした。近年、推進工法の技術開発が進められ、泥水・土圧式等の密閉型、曲線推進、長距離、大断面が可能になっております。浸水安全度向上のための整備手法として採用される増強管・貯留管整備にも多用されるようになりま
した。
 推進工法の発展が浸水対策としての下水道整備促進の一翼を担ったといっても過言ではないと思います。その推進工法の開発の経緯を振り返り今後の浸水被害軽減のため、安全な街づくりにどのような方法で寄与できるかに着眼し特集を組みました。
(編集担当:石北正道)

2018年5月号

特集/最近の推進測量技術

 現在の推進工事は様々なニーズへ対応し技術革新を重ねて発展してきました。適用土質としては、一般土質はもちろん岩盤や砂礫のような様々な困難な土質条件を克服し、適用管径も呼び径250の小口径管から呼び径800以上の大中口径管、そして呼び径4000もの超大口径管の施工も可能となっています。施工線形も長距離・急曲線施工はもちろん複合曲線や縦断曲線といった様々なものが可能となっております。
推進工事にとって測量は欠かせない非常に重要な技術です。
 しかしこの推進工事の測量技術は非常に難しい技術となっています。推進工事は管体そのものを押し込むという施工方法のため、管内に測量基準点が設置できません。すなわち動かない測量基準点は発進立坑内にしか設置できないのです。推進工事ではこの短い発進立坑の基線から何百倍という長さの測量を高い精度で行う必要があります。この問題を解決するために様々な測量方法が研究開発され実用化されてきました。それらにはレーザ光線を利用したもの、立坑基準点からのトータルステーションや独自計測機を利用した開放トラバース測量、地上からの電磁波計測や管内での移動計測機によるもの、写真技術を利用したもの等があります。また掘進中の位置や姿勢を計測するジャイロ技術や到達地点を電磁波で知らせる技術も利用されています。
 このように様々な測量技術が開発され利用されていますが、それらの技術も開発後現場に出ることで進化し今日に至っています。また電子機器や計測機そのものの変更等時代の流れの影響も受けています。ここではこれらの経過を経てきた推進測量技術の最新の状態をお知らせしたいと思います。
(編集担当:稲葉富男・茂木清顕)

2018年4月号

特集/推進工法を支える周辺技術

 我が国で最初に推進工法による管路建設工事が施工されてから、今年で70年を迎えるようです。当初は、人力による刃口式推進といった開放型の推進工法によるものでした。その後、土圧式、泥水式や泥濃式といった密閉型の推進工法が開発され、現在の主流となっています。対象となる工事も、従来は軌道横断や河川横断など、開削での工事が不可能な特殊区間の横断に用いられ、短距離・直線が一般的でした。しかしながら、都市地下空間の輻輳する埋設物を回避しての施工や工事周辺環境への配慮などから、長距離・曲線施工へと技術は進化するとともに、地下水位が高く被水圧の高い土層や岩盤等硬土質への対応する技術も開発され、推進工法の適用範囲は飛躍的な広がりを見せています。
 その飛躍的な進化は、推進する掘進機の機械的な性能向上だけではなく、様々な周辺技術に支えられています。曲線推進の位置計測技術では、特に作業員が入れない小口径においてジャイロ、CCDカメラ、レーザ屈折等、いろいろな技術を活用した計測方式が開発されています。また、難しい条件下の施工においては、薬液注入工をはじめとする補助工法はなくてはならないものになっています。これらの技術については、本誌でも特集を組んで最新情報を提供しています。その他にも、推進工法を支えているものとして、小スペース化への取り組み、推進力低減のためのアイデア、現場施工での創意工夫などなど、多数の技術・アイデア・工夫が存在します。
 本特集では、そういった推進工法を支える周辺技術にスポットを当て、従来からの定番技術も含め紹介することで、皆さまのお役に立てればと考えています。
(編集担当:森治郎)

2018年3月号

特集/「推進管アラカルト」
〜多様なニーズにチャレンジする推進管材〜

 推進工法は、同径のシールド工法より施工難易度が高く、様々な面で高度な技術が要求されます。シールド工法はセグメントを組み立てたのち、テールボイドを裏込め材で充填し、固結すればセグメントが安定します。
 一方、推進工法では、施工中においてフレキシブルな推進管列が絶えず地中移動するため、大きな推進力が波動的に掛かり、管体の軸方向と断面方向に複雑な外力が作用します。このため、推進管の種類はJSWAS(日本下水道協会規格)で規定されている標準管においても、様々な施工条件に対応するため、強度、継手性能の違いなどから多種に及び、また、全国ヒューム管協会や塩化ビニル管・継手協会規格のほか、製造協会規格を含めると膨大な種類となっています。これらの多くは、推進工事70年の歴史の中で、発注者の多様な要望にメーカ側が応えたものです。
 しかし、中にはJSWASの中押管のように施工時の使用を極力控えているものや、規格化されていても殆ど製造を行なっていない、いわば死に体寸前の推進管があることも事実です。また、開発はしたものの市場需要の低迷やPRの不足などから、お蔵入り状態となっているモッタイナイ推進管も存在しています。
 本特集では、推進工法用の剛性管、撓性管の管材が規格化された背景や変遷、現行規格の概説と特長、多様化する用途(貯留・内圧、超大口径等)とともに、JSWAS推進管のほか、施工環境や施工条件によって各協会が独自に規格・製造している推進管にも光を当て、その特長と特殊条件下の採用実例、製造実績とトレンド、さらにはトラブル事例や今後の課題等についても踏み込んでいます。また、主にユーザを対象に適正な管種や管材の選定に資することを目的とし、「座談会」も掲載されています。
 本特集が、設計に携わる自治体やコンサルタント職員にとって、管材を選定するに当たっての一助となれば幸甚です。
(編集担当:阿部勝男、人見隆)

2018年2月号

特集/狭隘空間での施工
〜困難な施工条件を克服する推進工法の技術〜

 我が国は、将来的には人口減少が予想されていますが、都市部への人口集中の影響から、都市の狭隘化が進行することが想定されます。同時に超高齢化も進行するため、ユニバーサルデザインによる電柱などの地上設備地下化や歩道、自転車道などの整備などの人々が利用しやすい環境作りが求められています。建設工事施工においても、環境に影響を与えない要求の高まりがあり、さらには、既設構造物間での施工も求められており、坑内設備、坑外設備とも限られたスペースや離れた場所を利用しての施工が必要なことが多くなっている状況にあります。
 コンパクトもしくは極小な製作品を作成するのは、海外と比較して、日本が得意としているところです。推進業界においても、様々な狭隘空間の施工を可能とする推進技術が発案されており、推進工事の施工に対しては、地中施設の輻輳化、重層化が進行している中、それらを回避するための事前調査や回避、対処できる推進方法の選定や工夫がなされ、坑内、坑外の限られた空間の中でも、交通や人々の生活に極力影響を与えない安全で確実な施工を実施されています。
 そこで、本号では、狭隘空間での施工を可能にする推進機械の製品開発の過程、現場においての創意工夫で狭隘空間を克服した施工例を記述していただく特集としました。
 実際には、施工が可能となったといっても安全面などで、まだ工夫が足りない部分もあるとも言われています。そのような課題についても、記述していただければ、本企画が、今後の推進工事の製品開発、推進工事施工の参考となると考えています。
(編集担当:佐藤徹・宮地武士)

2018年1月号

特集/推進工法の海外展開

 20世紀は、メイドインジャパンの製品が世界を席巻した世紀でした。家電製品や電卓・カメラ・車な日本製品を使えることから日本人に生まれて良かったと思ったものです。21世紀になると日本製品の優位性が失われ、今ではスマホやパソコンは外国製のものを使い始めています。冷蔵庫、クーラー、テレビなどの家電製品は、まだ日本製ですが今後買い替えるときに日本製になるのかわかりません。こうした状況の中でも、推進技術は日本の世界をリードしており今まさに世界に技術提供をしています。
 しかしながら、日本の推進事業は長期的な減少傾向にあり、それに伴い技術の継承や技術開発が難しくなってきています。一方、海外では、日本の技術移転により技術力を付けた企業が育っていることから、今後とも日本の優位性を保つための方策が求められています。
 今月号では、海外展開を図るうえで、日本の推進技術を活かしていくための方策に各界から意見をお伺いするとともに、ベトナムやインドネシアなど推進事業を実施している企業から今後より事業を進めるためにどのような方策が必要かを提言していただきたいと思います。
(編集担当:中島英一郎)

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