< 2018年12月号 >
特集/労働力不足を解消する働き方改革
総論:(公社)日本推進技術協会、国土交通省、厚生労働省 ほか
解説:戸田建設(株)、日特建設(株)、機動建設工業(株)、地建興業(株)、ゼニス羽田(株)、前田製管(株) ほか
連載:第10回 先達に学ぶ「温故知新」/第34回 ゆうぞうさんの山紀行
巻頭言/今月の推論/随筆/会報/その他

月刊推進技術
2018年のスケジュール

月刊推進技術
編集委員会名簿

2008年12月号
特集/省(小)面積化技術の現状と今後
   (小面積の光と影)

 今月は、推進工法には不可欠ではあるが、出来るだけ小さくなる宿命の立坑と工事基地の大きさについて考えてみたいと思います。
 推進工法がまだ物珍しく特殊工事であった時代には発進立坑・到達立坑・工事基地などは仕事をやる側の都合に合わせて決定されていましたが、最近の傾向としては道路状況や近接埋設物から初めにそれらの仮設ヤードが決定され、それに見合った推進工法が選択され施工されています。
 最近の道路事情や市街地の埋設物の輻輳した状況では立坑等の仮設は小さくせざるを得ないため、いろいろな省面積化技術が開発されています。
 それが発注者や社会の要請であることは間違いが無く、推進工法の仮設ヤードは無理をしてでも小さくしなければなりません。そのために推進技術に関わるものは、掘進機や推進管は出来るだけ短くし、発進立坑はぎりぎりまで小型化し、仮設機械はコンパクトに一体型化し、到達立坑も掘進機が回収できるぎりぎりの寸法まで切り詰めました。そのおかげで開削工法とは差別化され、特に都市部における管埋設工事においては推進工法が主流になり、今日の推進工法の発展が実現しています。
 今後も小型化の傾向は止むことなく継続され、このやり方でますます推進工法は発展すると思われます。
 しかし、この話の中には品質と安全という大切な前提条件が出てきません。出てこないということはそれらのことは当然確保されているということなのでしょうか?
 やはり、もう少し落ち着いて考えて見ましょうか。
 ということで、今月号では推進工法の中でも特に様々な工夫がなされている省面積化技術について、現状の技術を紹介するとともに今後の開発課題を探りたいと思います。
(編集担当:中野正明)

2008年11月号
特集/推進工事とコンサルタントが果たす役割

 これまでコンサルタント技術者は設計者として、日本下水道管渠推進技術協会のほか、日本下水道協会や各自治体でとりまとめた設計基準などに従い、施工法の検討や施工計画を行い、工事発注図書をとりまとめてきました。あるいは、工事発注後には施工管理を行ってきました。そして、悲しきかな!・・・設計の成果である路線検討や工法検討などの成果が、施工現場で全く異なる思想で実施されることも少なくありません。その要因は、事前調査の精度、地元住民の要望、資機材調達の都合・・・もしかしたら設計段階の「通例」「思いこみ」などなど、いろいろとあることでしょう。しかし結果として「仏作って魂入れず」となってしまったことがなかったでしょうか。
 推進工法に関する技術開発は著しく、社会環境等の変化に適うよう多くのハードルを乗り越えて来ましたが、今後は“下水道”のみならず多様な分野での活躍も期待される中、設計段階ではますます多様化する課題やその解決技術に関する情報の収集力や応用力等の創意工夫が求められています。また、限られた財源で安全な工事の実施が求められる中、一方では、デザインビルド方式や性能発注方式など、施工段階のジャッジに大きなウェイトが置かれる調達方式の採用が増える傾向にあります。
 このような状況下で、コンサルタントの果たすべき役割や仕事のプロセスにも変化が求められ、国民の幸福のために、より安全かつ公正で経済的な事業や工事の実現に強いリーダーシップが必要となります。まさに「魂を込めた」コンサルティングジャッジを行うことが重要です。
 そこで本号においては、コンサルタントの独立性や中立性を堅持しつつ「重大な役割を担うためにどうあるべきか?」に回帰するべく、現状の設計と施工の挟間に揺れる課題を中心に、「コンサルタントは何を思って推進工法の設計をしているのか」あるいは「すべきなのか」について、実務経験から得た課題や疑問など思いの丈を論じて頂きたいと思います。
(編集担当:田口由明)

2008年10月号
特集/近接施工に挑む

 わが国の都市部の地下には、地下鉄や地下街あるいはビルの地下部分など大型の占用構造物が設置され、特に道路下の浅い空間には下水道管や上水道管、ガス管、電力や通信用ケーブル管など多数のインフラ施設が埋設され、今や道路下空間は新しい施設を必要な位置に自由に設置できる状況にはありません。下水道管路は、自然流下を原則とし道路下の優先的な利用が認められていますが、すでに複雑に利用されている道路下区間に新たに管渠などを設置したり、あるいは既設の管渠を改築するためには、開削工法であれ非開削工法であっても近接した既設構造物、なかでも他の埋設管路への影響は避けられず、これらへの配慮をなくしては工事を実施できません。
 開削工法などと比較して、推進工法は、周辺地盤等への影響は少ない工法であると評価されていますが、近接構造物の種類や重要度、あるいは近接の程度や位置関係、施工場所の地盤の土質、推進機の種類などによって近接構造物に与える影響は変ってくることは明らかです。また、既設管に近接して施工する場合には、影響を受ける既設管側と近接して施工する側にはその近接工事あるいは地盤変状の捉え方に大きな差があると思われます。このようなことは、推進工事が新設でも改築でも同様です。
 重要な構造物に近接して推進工事を行った事例は多いと思われますが、トラブルになった工事はあまり表に出されないことや、結果的に問題なく施工できたとして処理される例が多いと思われますが、今回は推進工事による他の構造物や地盤への影響について事前の検討事例や具体的な対策、影響を計測した事例、あるいは生じた問題への対処や一般的な近接工事の基準や規定など、近接施工に関連した情報を幅広く紹介したいと考え特集を組みました。
(編集担当:平井正哉)

2008年9月号
特集/小土被りに挑む

 今月号の特集テーマは、「小土被りに挑む」です。
 現在、推進工法は下水道、電力等のライフライン敷設には欠かせない工法でありますが、嘗めて土被りの大小における区分けとして、小土被りでは開削工事、大土被りではシールド工事、その中間の土被りでは推進工事との選定が一般的に行われてきました。これらは、施工安全性や工事費比較の観点から行われていました。
 本特集テーマの小土被りについて考察すると、一般的に推進施工における適切な最小土被りは、1.5D程度(D:掘削外径)とされていました。しかし現在は小土被りでも開削より推進工法が経済的となるケースが多く、近年、注目されている目に見えないコストである環境悪化や交通障害への影響を考慮すると更に推進が優位であるため、土被り1.5D以内の施工も要望されていることが多くなっています。
 その要望に応えるべく、施工安全性の観点からは、泥水、泥土の添加剤、掘進機、注入材の開発・改良、防護対策の発展、また情報化施工やFEM解析等による地山への影響分析の実施により、小土被りでもより安全な施工が可能となっています。それらの技術発展の背景から小土被りにおける積極的な非開削への取り組みが行われ、土被り1.5D以内の実績も多くなっているのです。
 本編では、?発注者から計画論と施工後の評価、?設計を担当したコンサルタントから推進工法選定の根拠や考え方を披露して頂き、?施工者から、小土被りに対する施工例や安全な施工対応技術について紹介します。まずは現在の小土被りに対する施工技術と施工への取り組みについて、ご一読いただき、推進工法の可能性、優位性をご理解いただければと思います。
 今後の地下構造物施工においては、埋設物が輻輳している箇所が多くあるため、小土被りや近接施工でのより安全な施工技術が求められています。また、埋設物の移設もできず開削では施工が困難な条件となるところが増加することが想定されます。これらの課題に対して推進技術は今後もより発展していくことが推察されますが、それらの参考になれば幸いであります。
(編集担当:佐藤徹)

2008年8月号
特集/管材に求められる安全と安心

 今月は、推進工法用の管材、なかでも推進管自体が全ての推進力を受け、かつ前方にそれを伝える機能を果たす、鉄筋コンクリート管に代表される『高耐荷力推進管』に注目し、その技術開発の足跡と現状での課題、さらには今後の技術動向を探ります。特集のテーマとしては、『推進管に求められる安全と安心』です。
 我が国で初めて推進工事が登場したのが1948年(昭和23年)。それから数えて今年は60年。正に、人間に例えれば「還暦」を迎えています。この半世紀を超えた60年間に、我が国の推進技術は飛躍的な進化、発展を残しました。対応できる土質条件は、当初は切り羽が自立する粘性土でしかなかったものが、密閉型機械掘削式掘進機が推進工法にも導入され、帯水砂礫層はじめ、玉石、岩盤層までに拡大しています。推進距離では一スパン優に1kmを超えました。また、曲線施工では、S字カーブはもとより複合曲線も可能です。これまで、推進技術の進展については、推進施工技術の進化のみに着目しがちでしたが、ここでは、結果としてそれらと同じ道筋を通ってきた『推進用管材』に注目します。
 推進技術の60年間の技術進化は、正しく、鉄筋コンクリート製推進管にとても“技術進化の60年”と言えます。
 掘進の際、玉石、岩盤層など先端抵抗が増高する地盤を推進するには、それに打ち勝つ大きな推進力が必要です。そして、それを伝達する推進管には強い軸方向耐荷力が求められます。そのため、現在では、通常に用いられる50N管、70N管のほか、90N管さらにはレジン管なども開発、実用に至りました。また、長距離推進の場合でも、増高する推進力に耐え得る軸方向耐荷力の推進管が求められることは当然とし、更には、推進管外周面と地山との摩擦抵抗力を低減するため、様々な推進力低減技術(本誌4、5、6月号参照)が開発されていますので、その効果を確保、向上するためには、推進管外周面の性状に何らかの工夫が求められることもあます。さらには、曲線推進施工の場合には、隣接する推進管間の推進力伝達が、管継ぎ手部の外側が目開きすることから、管端部全面を有効に使えず、局部タッチでの伝達になります。そうすれば、推進力によりその部分に発生する応力が極端に増大しますので、それに耐え得る管体強度が必要ですが、それが極度となれば、その応力集中を緩和する推力伝達材、いわゆる“クッション材”の使用が必須となります。
 そのような推進管材側の技術開発が相まって、初めて推進技術の進化が達成できるのです。今月号では、推進管に求められる“安全と安心”の視点から、これまでの特殊推進管の開発経緯と現状での課題整理、さらには今後の技術開発の動向を探ります。
(編集担当 阿曽伸悦)

2008年7月号
特集/「下水道展’08横浜」の見どころ

 (社)日本下水道協会主催の『循環のみちを拓く〜下水道展’08横浜』が7月22日から25日まで、「横浜市みなとみらい地区」のパシフィコ横浜において開催されます。今年の出展企業数は318社(団体)、1,076小間のうち、推進工事に関係する展示数が、建設業を取り巻く厳しい環境の中にあっても、全体の実に約三分の一を占めています。
 これは、推進工法が管渠を建設していく上で、カギを握っている工法であることを如実に示しており、また、環境に優しい、省資源、省エネルギー工法として世の中に期待されている現れでもあります。しかし、その一方で、推進工法に関しでは、まだまだ解決しなければならない課題が山積していることを物語ってもいます。
 下水道展は、単に製品等の陳列や宣伝の場ではなく、各企業・団体がテーマや課題に取組み、改良、開発を重ねた結果得られた最新の情報、技術、製品などをユーザーに披露する集大成の場であり、また、自治体やコンサルタント職員からは、日頃の疑問を解き明かしてくれる格好の場(機会)でもあります。
 “特集/推進技術「下水道展’08横浜の見どころ」”では、当協会会員の出展した工法、システム、製品等について、その特徴、概要を分りやすく紹介するとともに「ここが売り」をコンセプトにまとめています。
 ■小口径管関係
 小口径管の分野では、先駆的な役割を果たし、その後も可撓性管や滞水砂礫層対応などの技術研鑚と改良を重ね、小口径管推進分野全体のリード役を担っている老舗的団体の工法、小口径管の宿命的な課題である、礫や岩盤、長距離、曲線施工などにチャレンジして克服し、実績を積みつつある工法、また、ユニット化している立坑構築技術などもチェックしておく必要があります。
 ■大中口径管関係
 従来、非開削の分野では、シールド工法でしか成し得なかった大口径、急曲線、長距離施工を、ここ数年の推進工法技術の飛躍的な開発により、呼び径3500以上、急曲線(R:20m以下)、複数の曲線を含む施工、さらに、1スパンが1,400mを超える超長距離施工も可能となり、シールド工法の代替工法として期待されています。
 巨礫や岩盤対応技術とともに、急曲線と超長距離推進技術を可能としている、これら大中口径推進施工に不可欠な管材と滑材の開発、滑材注入システムや計測技術の構築などの「周辺技術」も併せてご覧下さい。
(編集担当 阿部勝男)

2008年6月号
特集/推進力低減システムの現状と展望 その3

 今月号の特集テーマは、「推進力低減システムの課題と展望 その3」です。このシーズ第3弾、取り纏め号です。
 ここまで、4月、5月号では、大中口径、小口径管推進工法の分野で、開発、実用化された多くの推進力低減技術について、開発の背景、技術の内容とその根拠、施工事例での検証など、詳細に解説してまいりました。今月号では、それらを総括して、今後の展望を論じます。
 個々の推進工事について、その適用の可否を判定する最大要素は、「推進力算定式」から算出される想定最大推進力で、既存の推進管の耐荷力でもつか、支圧壁や立坑背後の地盤強度がもつか、それらに何とか対応できるとして、他の工法と比較して経済的に妥当か、などです。主観的に見て、推進工法の採用が如何に有利と思えても、推進力算定結果から、答えが“NO!”と出れば、あきらめざるを得ません。
 推進力算定式は、正確には、推進に伴う抵抗力の算定式です。そして、その推進抵抗力の大半は、推進管外周部と掘削地山との接触、摩擦抵抗です。この摩擦現象を少しでも(あるいは大いに)緩和する技術が、ここまで詳細に紹介してきた各種“推進力低減システム”です。今後、これらの技術の成果、効果が、推進力算定の段に的確に反映され、初めて、推進工法が、従来の経験工学から推進工学に一歩近づくことになります。
 今月号では、この問題認識を踏まえ、更に今後の展望について、推進力算定式を世に示す?日本下水道協会と利用者である公共団体(横浜市)の見解を述べていただきます。また、この鍵を握る滑材メーカ側の現状と動向も紹介します。そして、それらを総括する目的で、この問題に精通した有識者にお集まりいただき、発注者、設計者、施工者の立場、それらを統括する推進有識者の立場から、この問題の本質、根源と今後必要な対応について、大いにかつ熱く語っていただきます。
(編集担当:石川和秀)

2008年5月号
特集/推進力低減システムの現状と展望 その2

 今月号の特集テーマは、先月号に引き続き『推進力低減システムの現状と展望(その2) 』です。先月号では、主に大中口径管推進工法を対象に推進力低減技術を紹介しましたので、今月号では、小口径管推進工法まで範囲を広め、関連技術を紹介します。
 推進工法が我が国に初めて導入され、今年で丁度60年。この間、我が国の推進技術の進展は目覚ましく、今日では、玉石、岩盤層を含めほぼすべての地盤条件に対応し、Sカーブはおろか複合曲線施工も可能とさせ、さらには、1スパン延長が優に1?を超える超長距離推進の施工実績も数多く報告されています。ここまで高度に進展した我が国の推進技術であっても、推進工法の本質論に立ち返れば、今日でもなお、推進管列が地山から受ける周面摩擦抵抗を如何に安定的に減じるか、これが宿命的な課題であることに変わりません。
 推進工法では、掘進機を先頭に所定の計画線に沿って地中を掘り進み、推進管1本分の長さを掘り進めば、発進用の立坑から工場製作の推進管を投入し、掘進機から続く推進管列に後続させます。従って、到達間際では、ほぼ1スパンの推進延長に繋がる推進管列が、一体となって地中を地山と擦れながら滑り進むことになります。推進施工中の抵抗は、掘進機の先端、切り羽からの切削抵抗と、推進管列が地山から受ける周面摩擦抵抗ですが、通常、後者のウェイトが8割程度占めます。長距離推進になれば、そのウェイトはさらに高まります。そして、推進には、これらの抵抗力に打ち勝つ推力が必要とされます。
 これまで多くの推進工法関連団体において様々な推進力低減システムが技術開発され、優れた施工実績を挙げているものの、その成果は、現在の設計実務に的確に反映されているとは言い難い状況にあります。ましてや、現行の推進力算定式により設計推進力が過大側に算出されば、実際問題としてあらゆる面から過大設計ともなり、コスト高ともなります。設計推進力と実施工での乖離を解消することが、今日の推進技術に関わる喫緊な課題と言えます。特に、小口径管推進については、実施工データが少ないこと、土質条件や施工状況により、推進力の変動が大きいこともあり、設計と施工実態との乖離が一際大きいと感じられます。なかでも、小口径管・低耐荷力方式の一部の領域については、現行の推進力算定式を使用すれば、求められる推進力が大きく、現存の掘進機ではその能力が足らず、すべての機種が適用不可という全く非現実的、笑い話的結果が示されます。
 先月号に引き続き、推進技術の次なる課題を念頭に置きつつ、推進力低減技術の最先端を吟味下さい。
(編集担当:石川和秀)

2008年4月号
特集/推進力低減システムの現状と展望 その1

 今回の月刊推進技術、特集テーマは『推力低減システムの現状と展望』です。今月号では、主に大中口径管推進工法を対象に推力低減技術を紹介いたします。引き続き、来月号では《その2》として、小口径管推進工法を中心に関連技術を紹介する予定です。
 推進工法が我が国に初めて導入され、今年で丁度60年。この間、我が国の推進技術の進展は目覚ましく、今日では、玉石、岩盤層を含めほぼすべての地盤条件に対応し、Sカーブはおろか複合曲線施工も可能とさせ、さらには、1スパン延長が優に1kmを超える超長距離推進の施工実績も数多く報告されています。ここまで高度に進展した我が国の推進技術であっても、推進工法の本質論に立ち返れば、今日でもなお、推進管列が地山から受ける周面摩擦抵抗を如何に安定的に減じるか、これが宿命的な課題であることに変わりありません。
 推進工法では、掘進機を先頭に所定の計画線に沿って地中を掘り進み、推進管1本分の長さを掘り進めば、発進用の立坑から工場製作の推進管を投入し、掘進機から続く推進管列に後続させます。従って、到達間際では、ほぼ1スパンの推進延長に繋がる推進管列が、一体となって地中を地山と擦れながら滑り進むことになります。推進施工中の抵抗は、掘進機の先端、切り羽からの切削抵抗と、推進管列が地山から受ける周面摩擦抵抗ですが、通常、後者のウェイトが8割程度占めます。長距離推進になれば、そのウェイトはさらに高まります。そして、推進には、これらの抵抗力に打ち勝つ推力が必要とされます。
 多くの推進工法関連団体における今日までの技術開発により、実効性のある様々な推力低減システムが確立し、施工レベルにおいて優れた実績を挙げております。しかし、これらの技術手法が、現段階での推進工事に対する計画、設計手法に、的確に反映されているとは言い難い状況にあります。仮に、従前までの推進力算定式を踏襲するとすれば、推力低減効果を反映しない過大側の設計推力が算出され、それに応じた管材、元押ジャッキ能力、中押装置の導入、さらには発進立坑背面の地盤強化が検討されます。ある意味では、施工面で安全サイドとなりますが、一方、過大設計ともなります。さらには、設計推力が過大となり、推進工法自体の採用を不可とする事態も生じます。この不合理な乖離を解消することが、今日の推進技術に関わる喫緊な課題と言えます。
 その議論の根底となる推力低減システムについて、今月号と来月号の連載で、可能な限り多くの有益な工法技術を紹介します。読者の皆様には、推進技術の次なる課題を念頭に置きつつ、推力低減に関する最先端技術を吟味していただきたいと思います。
(編集担当:石川和秀)

2008年3月号
特集/地中障害物に対応する

2008年2月号
特集/施工技術最前線 −鋼製さや管方式編−

2008年1月号
特別企画/推進工法のカベを越えて
     〜還暦を迎えた推進工法〜

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