< 2018年5月号 >
特集/最近の推進測量技術
総論:総論:機動建設工業(株)
解説:(株)ソーキ・アイレック技建(株)・アースナビ工法協会・ベル工法協会・ジャット協会・東京計器・タマヤ計測システム(株) 他
連載:第8回先達に学ぶ「温故知新」/第27回ゆうぞうさんの山紀行
巻頭言/今月の推論/随筆/会報/その他

月刊推進技術
2018年のスケジュール

月刊推進技術
編集委員会名簿

2010年12月号

特集/下水道再構築の切り札
   〜改築推進工法〜

 平成21年度末に、下水道普及率は73.7%になり、管路施設の総延長は43万kmに達しています。このうち、既に標準的耐用年数である50年を経過したものは7千km、30年を経過したものは、7万kmに達しています。管路の老朽化に起因した道路陥没も、近年増加傾向にあります。平成9年からの10年間では毎年約4,700〜6,600件が発生しています。敷設後30年を経過すると陥没箇所が急増するとも国交省下水道部では分析しています。管路の破損に起因した道路陥没は、経年による劣化、硫化水素ガスによる腐食、地盤の変状や荷重による破損、継手部の離脱、あるいはこれらが重複して発生するなど、自然あるいは人為的などの様々な原因によります。また老朽化するのは、鉄筋コンクリート管、陶管、塩ビ管などの全ての管種に及ぶものと思われます。
 この老朽化した管路の補修に関し、施工コストの絡みもあり現段階では管更生工法が主流です。大きくたわんだ老朽化管渠や扁平が進んだ塩ビ管での管更生工法での補修には限界があり、改築推進工法によらざるを得ません。
 改築推進工法は、(1)下水流下能力を向上するための増径が可能である。(2)既設管の撤去と新管の敷設を同時に行うことが可能である。(3)既設管の占用位置に新管を推進工法で敷設する。という特長があります。既設管をそのままにして内面に樹脂材などでライニングする管更生工法と比較し、新管に敷設替えできることにより、耐久性が確実に向上すること、新管が工場製造で管材の品質が担保されていることなどの利点があります。
 老朽管を破砕除去ないしは排除しつつ、同位置に新設管を推進敷設する手法は、基本的に4方式に分類されます。(1)老朽管を内側から油圧等により押し拡げ、破砕しつつ、新設管を牽引ないしは推進敷設する「静的破砕方式」(2)老朽管の管端部にエアハンマからの衝撃を加え、破砕しつつ、新設管を推進敷設する「衝撃破砕方式」(3)老朽管を周辺地山とともに切削破砕、掘進しつつ、新設管を推進敷設する「回転破砕方式」(4)老朽管を取り込むよう外側に鋼管を被せ推進した後、老朽管を引き抜き除去し、鋼管をさや管として新設管を敷設する「引き抜き方式」です。これらの方式の施工事例について、工法団体および技術保有企業より解説を頂いています。
 さらに、発注者と設計者の立場から改築更新の考え方について、執筆して頂いています。
 都市が存続し、下水道の機能を求め続けるには、管渠の敷設替えを未来永劫繰り返し行わなければなりません。それを非開削で行うためには改築推進が最有力の工法です。
 ?日本下水道管渠推進技術協会は、改築推進に関する設計積算要領の初版(2009年版)を昨年発刊しました。今後の「改築推進工事」を検討される場合の参考にして頂ければ幸いです。
(編集担当:新 律)

2010年11月号

特集/最先端技術を探せ!
   〜曲線推進への道のり〜

 推進工法の曲線施工が“一般的な技術”として受け入れられるようになって20年余りになりますでしょうか。都市の地下空間には、都市機能の高度化、利便性や景観に配慮したまちづくりにより、多種多様なライフラインが高密度に輻輳し、“国民の安全・安心”を支えています。
 一方で、このようなライフラインにも寿命があり、大都市、中核都市を中心に改築ニーズも高まっています。改築の手段はいくつかの方法がありますが、その中で布設替え(設置・置換)に推進工法の技術が用いられることも少なくありません。
 「土被りが大きい」、「交通への影響が大きい」等々の従前までの理由のみが推進工法採用の根拠ではなくなりつつある中で、推進技術はその期待に応えるべく開発・改良を行い現在に至っています。その一つに“曲線推進技術”があげられます。しかし、“曲線推進技術”は完成した技術として確立されたわけではありません。というのも、施工時の管材損傷、計画路線ズレ等の事例も報告され、その対策技術は発展途上であり、何より技術者の育成が課題となっています。
 このようなことを背景に、本特集では、主に設計者である自治体やコンサルタントの技術者に向けて、“曲線推進技術”に関わる施工者、メーカー等の立場から“これまでの取り組み”、“今後の方向性”について論じていただきます。
 設計時には、推進工法はシールド工法と比較されることが多いのですが、連続施工(段取り替え)、曲線造成、掘進抵抗、管路構造等の面で、長距離施工時のリスクが課題となっています。リスクをどのように受容、或いは、回避してきたか、リスクの把握・分析から解決策までを披露していただくことによって、自治体やコンサルタントの技術者には「低コストと同時に、より安全で確実な施工技術」として推進工法を採用し、高密度化した地中のライフラインを構築・再生するためのヒントとすることができるのではないでしょうか。このようなことを期待し、“曲線推進技術”を多様な視点で紹介したいと思います。
(編集担当:阿部勝男)

2010年10月号

特集/最先端技術を探せ!
   〜長距離推進への道のり〜

 本特集は、「ここまで進化発展した推進技術」シリーズとして、『長距離推進への道のり』を取り上げました。
 “長距離推進施工への挑戦!”、この響きは、推進工事に携わる関係者にとってはここ十数年来よく耳にする、古くて新しい興味のあるフレーズです。工事費の縮減と立坑作業ヤードの確保が困難なことなどから、“これでもか!”と、毎年のように推進延長記録が更新されています。読者の中には(超)長距離推進施工の工事例が紹介される度に、おそらく驚きを持って受けとめられている方も少なくないと思います。反面、長距離推進工法では、地層の変化のほかに、事前調査では把握できない事柄も往々にして待ち受けています。
 推進工法では他の非開削工法と異なり、施工途中での中断にはある程度の時間的な制約が伴い、また、補助工法等の採用にも選択肢が限られるなどから、大きなリスクを背負うことになります。特に、中口径管以下の施工では、狭い坑内空間での作業を余儀なくされ、施工環境への配慮と安全性の担保が求められます。
 (超)長距離推進には、勿論、土質調査など事前に実施する綿密な調査も必須ですが、今日の可能推進延長の飛躍的な伸びは、元押し設備の増強や高軸方向耐荷力推進管の開発をはじめ、推進力低減措置として、滑材と注入設備及び注入方式、計測等の改良と技術開発を積み重ねて可能となったものです。同時に、作業環境の改善が図られ、また、各作業の省力化とシステム化が進められた結果、工事費の縮減化を可能とするとともに、安全・確実性が確保されて信頼度も高まったと言えます。
 しかし、従前に比較すると計測技術も発達し、作業の省力化は図られてはきましたが、これまでのところ、長距離推進に限らず大・中口径管の推進工事の多くは、完全な管内無人作業には至らず、僅かではあっても定常的な業務に坑内作業が伴います。
 したがって、狭い空間での作業環境や安全衛生管理上についての十分な配慮が不可欠です。報文事例の長距離曲線施工は華々しい反面、これらの課題を常に意識し、クリアしながら挑戦をしつづけ、実績を積み重ねてきた成果が現在の(超)長距離曲線施工を可能としてきています。
 本特集は、大・中口径管及び小口径管について、(超)長距離推進を実現可能としてきた、管材、掘進機(先導体)、滑材及び注入設備、管材、推進力伝達材、計測技術等、各分野でのこれまでの取組み状況と創意工夫点のほか、現状での問題点を明らかにするとともに、併せて今後の取組むべき課題と構想にも焦点を当てて言及しています。
 (超)長距離推進工法の設計上での配慮すべき事項や留意点を明確にし、今後、同工法を採用される自治体やコンサルタント職員にとって、これらを設計図書等に反映して頂くことにより、更なる安全の確保と工事費の縮減など、適正な積算等の一助となれば幸いです。
(編集担当:阿部勝男)

2010年9月号

特集/発進・到達技術の高度化

 推進工法において工程の区切りのイベントであり、また最も緊張する場面として、発進および到達の施工があります。掘進機などの先導体が土中に発進していく場面や、掘進機が到達・回収されて貫通するときは感動とともに推進工事のハイライトと呼ぶべき場面です。
 刃口推進の時代は技術的な側面より安全祈願や貫通祝いなどの儀式的な側面が多かったように思いますが、最近の地下水位以下の機械推進では技術的な問題が多く、トラブルの発生もよく耳にするところです。約30年前の機械推進の初期には地盤改良の技術も現在のレベルとは違って、その効果が不安定で発進・到達の鏡切りはまさに時間との戦いで、間一髪の施工であったように思います。現在では高圧噴射撹拌杭などの技術が開発されて、鏡切り工そのものは比較的安全に施工できるようになっていると思いますが、また新たな問題も出てきているようです。
 特に、最近の大深度(高水圧)施工においては、より確実な発進・到達の施工が求められて、いろいろな方法が実施されています。例えば鏡切り工を行なわず掘進機で鏡面を切削する方法や水中で到達させる方法などがあります。
 マンホールや幹線などの既設構造物に到達させる場合は、通常の到達方法より確実な止水性能が求められ、坑口の工夫や地盤改良および推進管と構造物の取り付け部の工夫が行なわれています。
 また、立坑内支障物の問題や最近では発進立坑および到達立坑が小型化する傾向にあるため、掘進機の投入・回収を一体ではなく分割して行なうケースが多くなっているようです。
 今月号ではこのようないろいろな問題を含む工種である発進・到達に焦点を当てて、掘進機投入・回収方法の工夫、地盤改良技術の現況、坑口リングの工夫、直接切削できる鏡面の事例や今後の開発課題などをそれぞれの立場から提案していただきます。
 何事においても初めと終わりが肝心だと言われていますが、推進工法においては発進と到達がそれに該当し、より確実な施工ができるようにしたいと考えますので、今後の施工や技術開発の参考にしていただきたいと思います。
(編集担当:中野正明)

2010年8月号

特集/礫・玉石地盤に挑む

 推進工事における施工困難な地盤には岩盤・超軟弱粘性土・帯水砂層など様々な土質が考えられますが、施工件数や施工距離が最も多くなおかつトラブルの件数の最も多いのは礫地盤だと思われます。礫地盤における推進工の困難さは5月号で取り上げた岩盤推進における問題と共通する部分は勿論多くありますが、礫地盤に固有の困難さがあることも事実です。共通する問題点としては「切削・摩耗」であり、それに伴うビットの形状や材質つきると思われます。それに対して固有の問題点としては?礫地盤の多様性?破砕方法の選定?間隙の状況や透水係数の把握と工法の選定?外周付近に存在する巨礫の切削および取り込み?掘進機通過後の外周礫転動と推進管の破損?削土の搬出方法など数え上げればきりがないほどです。つまり、礫地盤と言ってもピンからキリまでありますが、問題になるのは巨礫(玉石)であり、これらの問題点についていろいろな方面から改良に取り組み、近年の礫地盤推進は格段に進歩しています。
 しかし、一方では長距離・急曲線・大深度などの普通地盤でも技術困難な路線設定と、礫地盤という技術困難な土質条件が合わさった工事などで施工現場が大変な苦労をしていることも事実です。特に、近年では一級河川の横断や火山泥流滞などにおける管路工事にも推進工法の採用が認められるケースが増えており、それに伴って礫・玉石地盤の長距離推進工が不可欠の技術になっています。今月号ではそのような情勢を考慮して、礫地盤における推進工法の問題点とそれに対する技術開発の現状と今後の展望、あるいは現状の設計基準を超える施工に対する提言などを特集します。現実の技術開発の苦悩や施工現場での問題点を明らかにした上で、今後の展望が見えてくればありがたいと思っています。
(編集担当:中野正明)

2010年7月号

特集/ここまで進化発展した推進技術

 我が国で最初に推進工法が施工されてから既に60年が過ぎました。昭和40年代前半、主として大都市や下水道先進都市を中心として進められていた推進工法も、大部分が人力掘削を伴う刃口推進工法や開放型の掘進機によるものでした。そこには支圧壁や押輪はあったものの、推進台は尺角を2本並べてガイド兼用として、また、低部に設置されたジャッキ2本によって行うもので、管端部に推進力を伝達するストラットもなく、現在の省力化が図られたシステマチックな施工とは異なり、およそ推進技術としては稚拙そのものでした。
 そのために、滞水砂層や腐植土層に挑んだものの、薬液注入などの補助工法を駆使しても、土砂の呼び込みによる切刃の崩落や地下水の低下などが発生し、施工途中で推進工法を断念して開削工法に切り換えたケースもあったほどです。
 その後40年余が経過した現在、滞水砂層や腐植土層に起因する諸課題は既にクリアし、以前には考えも及ばなかった、1スパンが1400mを超える長距離推進、曲率半径が20m以下の急曲線並びに複数(複合)曲線推進、大深度などの線形に関する施工のほか、岩盤層や巨礫を含む玉石層などの困難土質に果敢にチャレンジし、まだ多少の課題は残されているものの克服してきました。また、呼び径5000の大口径管や多様な断面の施工が可能となったほか、計測を含めた施工システムの効率化と省力化が図られるなど、推進工法の技術変遷は隔世の感があり、最も信頼できる非開削工法として確立し現在に至っています。
 本特集では、今や下水道管の埋設に留まらず、地下埋設工法の主軸となっている推進工法について『最先端技術を探せ!』〜ここまで進化発展した推進技術〜をコンセプトに、推進工法を構成する先導体や掘進機、施工技術、推進管、立坑構築などの主要なカテゴリーの最先端技術をはじめとし、推進システムとしてこれを支えている計測技術、あるいは滑材や裏込め注入等の周辺技術にも光を当て、開発の経緯、今後の動向や課題点などの視点でまとめています。
 技術変遷の著しい推進技術について、本特集では、主に自治体や設計コンサルタント等の職員を意識して、最先端技術を掌握して頂く導入部として取りまとめています。本特集に目を通したことを機に、今後の設計等にこれらの最先端技術を反映活用して、工事の安全と工事費の縮減を図って頂ければと願っています。また、推進工法に携わる企業関係者には、他社の開発技術と他分野の技術を垣間見て頂くことにより、自社技術の新たな踏み出し、前進の一助となれば幸いと存じます。
(編集担当:阿部勝男)

2010年6月号

特集/多様な断面ニーズに応える推進技術

 推進工法が登場して60年がたちました。この間、わが国の経済は急速に発展し、それに伴う都市部への人口集中を背景として、都市部のインフラ整備が急速に進められてきました。現在、都市の地下に構築された、水道・電気・ガス・通信・下水道等生活に欠かせない管路の延長は膨大なものとなっています。
 推進工法は、これらのインフラ設備を地下に構築するためのトンネル築造工法として生まれました。開発当初は口径が小さい、推進距離も短い、線形が直線施工という狭い適用範囲ながらも、路面の掘削範囲が少なくかつ工事の騒音・振動が少ないなど周辺環境に及ぼす影響が少ない事から急速に普及しました。そして掘進技術等の進歩により適用地盤の拡大、大口径化・長距離化へとますますその施工範囲が拡大しました。特に都市部では、制約が厳しい施工条件下でのトンネル築造工法として一般的な工法に定着しました。
 近年、環境保全への取り組みや建設コストの低減など社会的なニーズが高まり、工事における産業廃棄物排出量の低減等の環境への配慮や、建設コストを低減する効率的な施工法の普及が期待されています。また、地下の限られた空間の利用効率を高め、地下構造物の機能・利便性の向上を図ることにより、地下空間を有効に利用することが望まれています。
 このようなニーズへの対応として、トンネル断面形状から無駄な空間をできるだけ減らし、断面形状を最適化していく工法が開発されています。例えば、矩形、馬蹄形、楕円形等の断面形状を掘削できる掘進機の掘削機構が開発されています。また小さな矩形や円形断面の管を何本も組み合わせて任意形状のトンネルの外郭を形成し、その中を掘削して大きな断面のトンネルを築造する方法もあります。このような多様な断面のトンネルの築造は、掘進機の掘削機構の技術開発だけでなく推進技術を構成する様々な要素技術の進歩があってこそ可能となります。
 この技術の進歩は、世の中のニーズに応えようという技術者のたゆまぬ努力のたまものであり、それを必要とする人々の期待が生み出す結果でもあります。
 本稿では、推進工法を用いて構築された「多様な断面」のトンネル工事への取り組みについて紹介します。今後の技術開発や対応策の一助となれば幸いです。
(編集担当:西口公二)

2010年5月号

特集/岩盤に挑む、推進技術

 今月号の特集テーマは、「岩盤推進技術の発展と課題」です。
 推進工法は、飛躍的に進歩してきた。岩盤推進においても同様である。岩盤や巨礫地盤において、普通推進で発破を行いながら施工していたのが十数年前と考えると、小口径でも岩盤推進が可能となっていることは、一つの推進工法進歩の象徴であるともいえる。しかし岩盤推進で掘進機故障や推進管の破損等のトラブルの発生が多いことも事実である。昨今は、様々な技術の試行錯誤から、その頻度は少なくなってはいるが、それらについてはまだ相変わらず岩盤推進における大きな課題である。そのようなトラブルが発生する理由としては、単なる施工時の問題点だけではなく、地質の調査が不足している等の課題もあり、周辺技術も踏まえた工法の発展が求められるところである。
 また今後、公共事業に対する予算が縮小される中では、岩盤推進においてはより経済的な推進工法の提案が求められるであろう。如何に推進が早く施工でき、経済的に施工可能となるかが重要な要素となる。当然土被りが深くなると開削で施工するよりは遥かに安価な金額で推進管が敷設できるのであるが、推進でも効率的な掘削ができなければ、掘進機の消耗も激しく、使用する添加材、産業廃棄物も多くなり、そのコストは膨大となる。掘削口径や岩質、亀裂の有無によっても異なるが、一軸圧縮強度が200MN/mm2程度の岩盤であれば1分間に数ミリの推進速度になることもある。大いに改善が期待されるところである。
 逆に言えば、掘削技術が向上すれば改善余地がある施工であり、改善の経済的効果は非常に大きい。当然各企業では、その要望にこたえるべく、岩盤施工においての様々な要素技術の観点から開発、改良を盛んに行っている。そこで今号ではそれらの取り組み等について、各要素技術からの技術進歩の状況と施工例を混えた岩盤掘削技術の報告をさせて頂きます。そして岩盤推進に対しての施工留意や岩盤推進におけるさらなる効率的な施工の参考になればと考えます。
(編集担当:佐藤 徹)

2010年4月号
特集/トラブルを発生させないための現場のサポート

「推進工事はやってみなければわからない」とよく言われます。推進現場の施工条件が当初設計と余りにも異なっていることや、全く想定していなかった障害物が出現するなど、現場担当者にすべてその責任を負わせるのは酷と思えるトラブルも発生することがあります。また、これまでの工事経験を活かせずにトラブルを再発させることも珍しくはありません。いずれにしてもトラブルは、施工者のみならず住民にとっても損失です。推進工事に携わる関係者は、周辺環境に影響を及ぼさず、ムダの発生を抑えながら、住民が要求するものを期間内に造りあげるという使命があります。しかし一旦、トラブルが発生すると、現場担当者は、発注者、周辺住民、そして自身の会社から批判を浴びせられます。だからといって、限られた少ない現場担当者にすべての責任を負わせて良いのでしょうか。
 今回の特集では、不確かな条件が多い推進工事現場をどのように関係者がサポートするのかをテーマにしたいと考えています。現場をサポートする方法としては、工事開始前から検討会などを開いて課題を抽出整理し、その対応策を決めておく場合もあるでしょう。また、従前のような勘と経験による現場管理ではなく、それまでの工事情報から対応技術の適用性をあらゆる角度から検討して現場支援を行う方法もあるでしょう。中には、現場に配置する担当者の技術力アップを会社ぐるみで支援する方法もあるかも知れません。いずれにしても、現場と支店あるいは本社においては、現場情報の共有化は不可欠であり、情報交換とともに、業務の効率化を図りながら、常に正しい方向性を見い出していく必要があります。推進工事においては、施工管理、安全管理そして現場のコスト縮減など規模が小さくても一事業者と同様に業務をこなさなければなりません。現場支援は、会社組織、工法団体によって異なりますが、その違いを知ることも、現場管理の向上に役立つものと期待しています。
(編集担当:川相 章)

2010年3月号
特集/環境対策 ゼロエミッションへの挑戦

 産業界では、循環型社会を達成するために、生産過程において廃棄物を全く生み出さない、あるいは排出されるすべての廃棄物や副産物を他の産業の資源として活用する、いわゆるゼロエミッション構想が、省エネルギー化とともに社会的課題として取組んでいます。
 建設分野においても同様に、各企業はCO2の排出抑制、3R(リデュース、リユース、リサイクル)やグリーン購入の推進を行い、また、環境保全への社会貢献活動に参入していかなければ、いずれはその企業の社会的な評価が失われ、生き残ることが難しいとされています。
 推進工法は、「省エネルギー工法」、「温室効果ガスの排出量が少ない工法」、「環境に配慮した工法」として評価されてきました。
 それは、推進工事が開削工法やシールド工法と比較して、工事に使用する資機材や工程が格段に少ないことに加え、非開削であることから社会生活環境に与える影響が最も小さいことによります。管路を敷設する行為を、仮に「環境」の物差しで測るとしますと、推進工法は、この分野のチャンピオンであり、優位な工法と言うことができます。
 3Kとも言われている建設業種にあって、推進工法は、これまでも作業環境の改善に取り組み、また、ユーザの様々な技術的ニーズに対して応えてまいりました。さらに、管材などの製造工程においても環境面に配慮し、あるいは、粘土・ベントナイト等の数種類の材料を組み合わせて使用する配合から、一液少量化と安全性(中性化)の向上が進み、CO2排出量の少ない、環境に優しい添加材料へと変遷を遂げて一般建設発生土として処理・処分が可能とするなど、「環境に係わる諸問題」を解決し、今日の都市部において最もポピュラーで信頼性の高い、環境に優しい工法として確立されるまでに至っております。
 本稿では発注者、施工者、メーカのそれぞれの立場から、「環境に係わる諸問題」に対して取組んできた道筋を紹介し、今後の技術開発や対応策の一助となれば幸いです。
(編集担当:新 律)

2010年2月号
特集/自動化施工への挑戦

 推進工法の将来は海外展開を含めて明るいものであると確信していますが、少し気がかりなこととしては次世代をになう技術者およびその可能性を秘めた若者がこの業界に居着いていないことではないでしょうか。その理由は建設業全体に対する一般の評価が低いことや将来に対する不安感などいろいろあると思いますが、きつい・汚い・危険という3Kの職種であることが大きいのではないでしょうか。そのようなマイナスイメージを払拭する手だてとして自動化施工が考えられ、従来から多くの人が取り組んでいます。
 古くは刃口推進主流時代の自動連動中押し装置や自動掘削機などに始まり長距離・曲線施工に伴う掘進機遠隔操作や遠隔監視システムおよび自動測量・自動滑材注入システムなど多くの自動化システムが実施されています。また、小口径管推進の分野ではその必要性から推進施工そのものは自動化が達成されていると言えると思います。さらに夢を語るなら部分的な自動化ではなく推進サイクル全ての完全な無人化施工であり、それが実現されれば胸を張って推進工法は3Kの仕事ではないと言い切れると思っています。
 しかし、現実はある程度の自動化は実現できたものの完全な姿にはなかなか届かないような気がします。それは、自動化によるコスト増加であったり推進工法自体がデジタル数値では割りきれないアナログの側面を持っていたりすることなどが考えられます。
 今月の特集は推進工法に携わる者の夢でありながらなかなか実現できていない「自動化」に焦点を当てて、それに取り組む各分野の方々に自動化に対する思いや現実の苦悩などを語っていただき、今後の取り組みの参考にできればと考えています。
(編集担当:中野正明)

2010年1月号
特別企画/推進技術、未来を語る

「月刊推進技術」ご愛読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。西暦2010年、平成22年、寅年のスタートです。昨年8月末の衆議院選挙において、民主党が歴史的大勝利を挙げたと言うか、自民党が歴史的大敗北を喫し、我々が未だ経験をしたことのない「政権交代」が行われました。今年は、その真に成果が問われる初年度となります。是非、我々国民の期待に適う年になることを祈るとともに、我々業界関係者も、こうした環境の下で、次なる目標をしっかりと見定め、力強く前進したいものです。
 さて、ミレニアム気分の高揚した雰囲気の中で始まった21世紀、今年で早10年を迎えます。21世紀は、『環境の世紀』、『水の世紀』と言われています。しかし、昨今の実情からは、『景気衰退の世紀』、『価格破壊の世紀』とも言われかねません。
 ともあれ、21世紀の「第一10年」の節目を迎える今、『環境の世紀』、『水の世紀』を支える地下都市基盤整備の主役であり、主力となるべき『非開削・推進技術』に関し、様々な視点から、「次なる10年」を見据えた展望を試みました。
 今月号は、新春号に相応しく、『推進技術・次なる中期展望に向けて』です。
 まず、推進技術の現状と今後の進展を踏まえ、推進工法がこれまで多用されてきた下水道事業での展望は如何に、また農業用排水路整備事業や過密した都市内での道路立体交差事業など他事業分野での展望、さらには東南アジアを中心とした海外進出などについて、現状分析と包括的な展望をテーマに、当協会会長、副会長を中心に「座談会」を組みました。この中で、参加者一人ひとりの経験と洞察力を踏まえた発言内容から、読者の皆さんは、自らが抱く先行き不安からのモヤモヤ、閉塞感の一部を解消いただきたいと思います。
 さらに、推進技術開発、工事施工、推進用管材、滑材・添加材、推進工事固有の測量技術など、推進工法を取り巻く技術分野を、様々な角度、視点、切り口から、推進工法の現状と課題、今後10年程度を見据えた『中期展望』を、それぞれの分野で“エキスパート”と自負される方々から紹介いただきました。この中には、読者の皆様が共感を抱く事柄や思いが必ずあるはずです。一つの“読み物”として味わっていただければ幸いです。
 「月刊推進技術」が読者の皆様にとって有効、有益な情報源となるべく、最新、最先端の推進技術をお届けできるよう、編集委員会一同、誠心誠意努力いたします。
 今年一年、親密なお付き合いとご愛読をお願いいたします。
(編集担当:石川和秀)

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