< 2012年6月号 >
特集/創刊300号記念─推進技術の明日をよむ─ |
座談会「世代を繋ごう推進技術」─推進二代目、おおいにに語る─
明日への提言
復刻版優秀報文
ダイジェスト版 推進技術発展の歴史
読み直してみたい50選
巻頭言/今月の推論/随筆/推進和尚のトラブル対策/会報/その他 |
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2012年5月号 
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特集/推進工事を支える測量技術
〜夢から現実への挑戦〜
推進工事はシールド等に比較して設備が簡便で、ある意味手軽な工法と言える。しかしこの推進の測量は、短い基準線を頼りとした解放トラバー測量であり、しかも管体そのものが動くため都度基準点から計測することを強いられる。大中口径の推進工事も管内測量は非常な苦渋作業となり、人が入れない小口径推進では、地上からの間接測量が多く、管内を直接測量する自動測量技術も工法と一体化されたものが多い。
近年、推進技術は従来からある下水道・電気・ガスのような管路だけでなく大口径の貯留管にも数多く採用され、輻輳した都市の地下空間利用への応用が期待されている。また小口径管についても、地上からの開削工法が難しいもの、立坑設置が困難なもの、道路線形なりに施工するといった多様なニーズも増えている。この小口径推進にも土被りの深いものや、地上との間に障害物があるもの、さらに河川横断のように地上からの測量では難しいものが多くなってる。
推進工事に自動測量システムが導入されてから約15年が経過し、この間多くの技術改良がなされてきた。しかし推進工事の特性から測量技術がなかなか進展しないのも実情である。つまり市場の規模や企業単位の開発体制、開発された技術の汎用性が乏しい等々の事情で技術を支えきれないという面も出てきている。
推進工事において測量は重要な要素技術である。熟練労働者不足による技術力低下も構造的な問題となっておりますます自動化技術は必要となる。また時代の変化に伴い多様なニーズへの対応も必要である。これらの要求に推進技術が答えるためには、測量技術の発展が不可欠である。ここでは、推進の測量技術の新しい挑戦や既存技術の改良・それらによる新しい実績を述べるとともに測量技術をシステムとして維持していくのに必要な地道な日々の積み重ねにも言及したいと考えている。また推進の測量技術は多岐に渡るためそれぞれに特徴がある。それを明確にすることで適用範囲が見えてくると考える。
(編集担当:稲葉富男)
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特集/下水道再構築の切り札
〜改築推進工法〜
下水道は、その普及率が平成22年度末に75.1%に達し、都市内の雨水排除、汚水排除、河川の水質汚濁の防止を図る等、生活環境の改善に大きな成果をあげています。今後は、発生汚泥からの資源回収等、わが国の循環型社会の実現のためには極めて重要な役割を果たすことになります。
わが国の下水道整備は、昭和30年以降急激に進み、現在、管きょの総延長は、昭和40年代の高度成長以降に建設されたものを含めて43.5万kmを超えています。しかし、全国には、建設後50年を超える管きょは約8,000km程度あり、老朽化した管きょを原因として年間4000件以上の道路陥没事故が発生しています。今後は、それらの維持管理だけでなく、将来を見据えた再構築をどのように進めるかが大きな課題と言えます。
老朽した管きょの再構築方法としては、既設管の内面にライニング管を構築する「更生工法」、既設管と同じ場所に新たに管を構築する「敷設替工法」、既設管とは別のルートの新たに管を構築する「新設管・増補管敷設」の3つに分類されています。既設管の劣化、損傷の程度が比較的軽度な場合は「更生工法」が広く採用されていますが、損傷が著しい場合は「更生工法」の採用は困難となり、「敷設替工法」または「新設管・増補管敷設」を採用することとなります。地下埋設物の輻輳等により別ルートの確保が困難な場合は、既設管と同じ位置に新たに管きょを敷設する「敷設替工法」の採用となります。「敷設替工法」はさらに開削工法と非開削工法に分類されます。埋設物および交通状況等の理由により開削での管きょの敷設が困難な場合は、市民の生活環境への影響を最小限に抑えることが可能な非開削工法である『改築推進工法』の採用となります。
この『改築推進工法』は、既設管の破砕・排除方法により5つの方式に分類されており、2010年12月号特集では自治体の取り組み状況および各工法の概要等を紹介しております。
敷設替えを開削工法ではなく、改築推進工法によって行う場合、各改築推進工法と老朽管について、その適用性や得失を十分理解しておく必要があります。
今回の特集の目的は、適用管種、既設管の折損およびずれの状況、適用延長、施工時における仮排水等を考慮した老朽管の敷設替えについてだけでなく、下水道管きょの再構築において、改築推進工法が、健全でかつ機能アップした下水道管きょの創造を担うことへの期待もあります。本特集『改築推進工法』が計画設計、施工に携わる方々の参考になれば幸いです。
(編集担当:前田公洋)
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特集/自在型推進工法
〜管路構築方法の新しい時代を切り拓く〜
推進工法が産声をあげた1948年からすでに63年が経過し、現在の推進技術は、従来では考えられなかったような難易度の高い工事をも克服しています。より長く、より深く、そして曲線線形も平面、縦断と自在に推進管を敷設できるまでになりました。
先導体(掘進機)がその前面の土を取り除くことで、立坑から次々に推進管を送り出すことができるのですが、土を取り除くための掘削、掘削した土を地上に排出する技術は簡単なことではありません。掘削地盤の硬さに対応できる先導体(掘進機)、正確に掘り進むための精度管理、掘った土を地上に効率良く排出する技術、これらが全てかみ合ってこそ高度な推進工事が可能となっているのです。
このように、長距離・曲線施工を克服してきた推進技術ですが、推進途中に急曲線を含む場合、その急曲線以降に配置される推進管は全てその曲線を通過できる管を必要とします。当然ながら、急曲線を通過できる管は通常管に比べ割高です。このように技術的に可能とはいえ、経済性や工期面からは必ずしも推進工法で施工することが最善とは言い切れない場合があります。そこで考えられたのが推進工法とシールド工法の併用工法です。この工法は、まず推進工法でなだらかな曲線を含む直線区間を推進させ、その後、急曲線以降では先導体(掘進機)の後方でセグメントを組み立てる、いわゆるシールド工法に変更させて長距離施工を行うというものです。
次ぎに、鉄道などの重要構造物や、河川や運河を横断する長距離推進のように、推進管外周面の地山の安定確保と推進抵抗力の低減が必要な場合、推進管(鋼管)を外管として推進させた後、その内部を一回り小さい径の推進管を推進させることで可能とする方法もあります。この場合には、同一先導体(掘進機)の掘削径を変更させることが必要になります。その他、掘削方式と掘削した土砂の排出方法については、泥水式は流体輸送で、土圧式は圧送ポンプやあるいはベルトコンベヤとバケットで、泥濃式推進工法であれば吸引排土方式のように固定化されていますが、これらを土質に応じて変化させて組み合わせる方法もあります。このように、1スパンの間に同一の掘進機によって掘削方法、掘削径、排土方法また敷設する管材を変更することができる自在型推進工法が見られるようになりました。これは、まさに時代が要請する多種多様な過酷な条件に、賢く対応できる「スマート推進工法」であるとも言えます。今回の特集では、この自在型の推進工法について、それが開発された経緯、それらが採用されるに至った背景、採用にあたっての留意点、さらに今後の展望などについて紹介したいと考えております。
(編集担当:川相章)
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特集/雨に強い都市づくりと推進工法
昨年9月に相次いで上陸した台風12号と15号により、日本列島に大きな被害をもたらしました。
各都市では、梅雨や台風などによる集中豪雨に備えるため、「安全な都市づくり」の一環として『総合的な治水対策』を進めています。
総合的な治水対策では、河道改修や河川遊水池などの河川に係わる整備のほか、下水道施設として、ポンプ場や雨水幹線、雨水調整池の整備を、また、流域対策として田畑や緑地の保全など、保水機能の維持・向上を図るための施策を併せて推進しています。
都市部での中小河川や下水道においては、既に、5年に1回程度の降雨確率に対応する整備水準によって実施されていますが、さらに資産集積と人口集中が著しい中心市街地部などでは、概ね10年に1回発生する降雨に対応するための整備も同時に進められています。
これらの内水対策としての浸水安全度の向上には、雨水増強管の整備とともに、流域内の公園や校庭などの公共施設用地を活用した雨水の「地下貯留施設」のほか、トレンチ管、浸透ますなどの「浸透施設」の整備が従来から行われてきましたが、最近では工事を着手してから完成するまでの工事期間の短い、即効性の高い『大口径管推進工法による雨水貯留管』が着目されて実績を挙げつつあります。
本特集では、自治体からの“各都市における雨水対策事業の取り組み状況と併せ、その実効手段としての推進工法への期待と係わり”のほか、施工者や管材メーカ側からも、これまで進められてきた大中口径管や内径3,000mmを超える「超大口径管推進工法」などの事例を紹介し、施工上の留意点と術的課題にも言及しております。
本特集を通して、雨水整備の設計に携わる自治体や設計コンサルタント等の職員の方々には、最近の大口径および超大口径管推進工法の持つ多様な用途と潜在的な可能性を見出して頂き、計画・設計に活用して頂ければ幸いと思っています。
(編集担当:阿部勝男)
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特集/我が推進技術 海外進出に向けて
「月刊推進技術」ご愛読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。2012年、平成24年、辰年のスタートです。「辰」は、「龍(竜)」の字もあてますし、その読みは「たつ」です。現状から立ち上がり、龍のごとく天を駆ける一年としたいものです。そこで、今年の新春号の特集テーマは、昨年に引き続き、「我が推進技術海外進出に向けて」と、いたしました。
さて、昨年は、何と言っても、3月11日に発生した東日本大震災でした。2万人に近い多くの犠牲者を出し、津波により岩手、宮城県の太平洋沿岸の多くの都市がその土台から流され、さらに、福島県の東京電力福島第一原子力発電所では、4つの原子炉が壊滅状態とされました。その収束の目途は未だ明確とはされていません。また、千葉県浦安市などで見られた、地震による地盤の液状化問題も、広く社会の注目を集めました。そうしたなかでも、被災地では、復旧から復興に向け、できること、できるところから一歩づつ、着実な足取りが見られます。住民の方々の地道な努力が、国民の崇高な姿として、世界から賞賛を浴びています。
もう一つ、世界から注目と賞賛を集めたのは、女子サッカー「なでしこジャパン」の活躍でした。W杯で、強敵アメリカを不屈の精神力でPK戦の末下し、世界の頂点に立ちました。その疲れも癒えない時、今年のロンドン五輪の出場権を賭けたアジア最終予選では、不敗の1位でそれを獲得しました。正しく、“世界のジャパン女子サッカー”となりました。これに続けと、今年は、“世界のジャパン推進技術”としたいものです。夢ではありません。その実力は十分にあることは、関係の皆様が承知しています。それをどう進めていくか、そこが課題です。
民主党政権は、3年目を迎えました。政権交代当初より、我国の優れた建設技術を、今後、海外におけるインフラ整備に積極的に活用すること、すなわち、インフラビジネスの海外進出に強い意欲を示していました。当時、国土交通大臣に就任された前原氏は、日本の誇れる建設技術として、原子力発電、新幹線、それに水インフラの3つを挙げました。
その後、原子力発電と新幹線については、いくつかの具体的な案件が取沙汰されたようですが、未だ、プロジェクト化は見えておりません。一方、水インフラ事業については、ベトナムやインドネシア、インドなどを対象国として、政府高官レベルでの基本協議が着実に進められ、その成果も見えつつあります。水インフラには上水道とともに下水道の整備が見込まれます。下水道でも、都市衛生の面から汚水管の整備はもとより、東南アジア諸国の人口100万人を超える“メガ都市”では、降雨浸水から都市機能を守るための大規模な排水管網の整備も喫緊の課題とされます。超過密した都市内の道路下に大口径管を敷設するには、非開削手法の推進工法が有力です。そこに、我国が永年にわたり築き上げた世界に誇る高水準の推進技術にとって、大いなる活躍舞台があることは確実です。
そこで、今後、どういうプロセスで我国の推進技術を円滑に海外へ進出させていくか、そのために現時点で何が必要で、それをどうするか、が課題となります。
(編集担当:石川和秀)
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